長岡花火と炎色反応

 新潟県のこどもたちにとって、長岡祭り大花火大会は「夏休み最大の楽しみ」のひとつかも知れません。「天地人花火」や「復興祈願フェニックス花火」などは打ち上げ場所をフルに使って圧巻の出来映えです。さて、観覧席から見ていると、花火は化学の時間に行った「炎色反応実験」の理論を応用しているのだな〜と、しみじみ思います。ある種類の高温状態の金属からは固有の炎色が観察されます。銅は緑色、カルシウムはオレンジ色、リチウムは赤色、ナトリウムは黄色などこれらの金属が「元素の周期律表のどのエリア(種類)にあるか」を見てみると、なるほど〜と感慨もひとしおです。ベスビアス超大型スターマインなどの構成の中で会場全体が照らし出されるほどの「非常に明るい白色光」は「アルミニウムやマグネシウムの燃焼によるもの」と推察されます。

 そして大会の最後には会場全体で「感謝の光メッセージ」が行われましたが、こちらは携帯電話(LEDバックライト)や野外用LEDヘッドライトを振っている方が多かったようです。これらの光は半導体への通電によって電気的に発生させていることになりますね。

 また正三尺玉の後には、大接近している火星も輝いていました。惑星の輝きは遠い宇宙からの太陽光(核融合反応!)の反射ですね。

 

参考文献:日本燃焼学会誌 第50巻152号(2008年)独立行政法人産業技術総合研究所 松永猛裕

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcombsj/50/152/50_100/_pdf/-char/ja