アユ(鮎)の秋 競争と協調の群れ行動

 今日(2018.08.30)の新潟県魚沼地方は時折青空ものぞく穏やかな天候となっています。最高気温も守門西名アメダスで29.2度と、随分涼しくなりました。夏至の日から2ケ月以上経過して、もう2日で9月になります。太陽高度や日照時間は正確に変化してゆき、生物の行動も秋に向けたものとなります。

 近くの一級河川にもアユ(鮎)が生息していますが、当地のアユは例年8月の下旬頃から群れを形成しながら少しづつ河川を下り始めます。夏の間は「河床に形成されるナワバリ(餌場)をめぐって個体間で激しく争うアユ※」ですが、繁殖行動に移行する頃にはナワバリ争いの場面も見せつつも、「お互いを意識した群れ行動」が序々に発現します。そして台風や長雨などを契機として、アユは集団産卵に向けて秋の十五夜の頃には(成熟した個体から誘い合うかように)本格的に河川を下ってゆくようです。

 信濃川水系でのアユの産卵盛期は9月下旬から10月上旬頃とされています。群れ行動にはそれぞれの生き物の生き残り戦略が現れます。競争しつつも協調するアユ。こうした様子を間近で見られるのも、フィールドでの自然観察の醍醐味でしょうか。

 

※1 ナワバリ争いの結果、河川全体に広くアユを分散させ、餌資源を有効活用する

  ことでそれぞれの個体の成長を最適化(最大化)する効果があるのでしょうか。

※2 アユの中には明確なナワバリを形成せず、成長しても群れ行動を主とする

  個体群も観察されます。ナワバリのあるアユに加えてこうした「群れ行動主体の

  個体群」が存在する事で、年魚であるアユに「成熟度や産卵時期の幅」が生じ、

  結果として「環境変化への対応力」が増して、「種全体の生き残りに貢献」

  するようにも思えます(アユの寿命は通常1年)。