ゲンノショウコの群落とキンエノコロから見える風景

 施設管理の基本は安全管理と美観の維持ですが、野外教育施設における園内の(歩道周辺の)美観の維持は自ずと「草刈り」が中心となります。そして「1年に1回のみの草刈り頻度」ですと樹木の(顕著な)群落は発生しませんが、この頻度ではススキやタケニグサ、あるいは外来種であるセイタカアワダチソウなどの侵入を十分には防ぐことができません。また「1年に1回のみの草刈り頻度」の場合、1回あたりの労力が多大となり美観的にも好ましくないことから、当方では関連施設も含めて「1年に複数回の草刈り」を行っています。

 草刈り作業自体も視点を変えれば「植物の遷移(構成種の入れ替わり)におけるリセット頻度の実験」でもあるわけで、草刈り(遷移のリセット)頻度と対象範囲の加減によって「可憐な花を見せるゲンノショウコ(薬草でもあります)の群落が形成される」など、その結果は非常に興味深いものとなります。ちなみに、美しい天然芝を目指すのであれば当地では概ね3日に1回の草刈り(夏期の芝刈り)が必要となりますが、「様々な雑草が繁茂する状況」についても言葉を変えれば「日本列島が如何に植物の生育にとって恵まれているか(そしてその分、草刈りに難儀をします)」を目の当たりにする機会でもあります。

 さて春から頻繁に行ってきた草刈りですが、秋を迎えた今では「キンエノコロ」が可愛い花穂を風に揺らしています。キンエノコロはその名の通り「逆光を受けた花穂が金色に映える小さなネコジャラシ(エノコログサ・イネ科)の仲間」ですが、このキンエノコロを見ると「ローマ時代の剣闘士の悲哀」を描いた映画「グラディエーター(2,000年・米作品、主演:ラッセル・クロウ)のラストシーン」を思い浮かべます。映画では「麦畑の傍らで待つ妻と息子を夢想するシーン」として「かつてあった幸せな日々」を象徴しています。私達の身近に生育しているキンエノコロが逆光に映える風景も、「暖かい秋の午後の思い出」と重なるように思います。またこのキンエノコロの花穂はアブラチャンの実(名前からして子どもたちに大人気!)と同じく「秋の自然素材工作」に登場する予定です。貴重な秋晴れの日を大切に過ごしたいですね。

(写真は浅草山麓に咲くゲンノショウコです)