オオヨシキリからはじめよう! 〜声で親しむバードウォッチング〜

 新潟県を含む北陸地方の梅雨入りも間近ですね。さて、梅雨の頃の曇天と深い緑が想起される野鳥として、個人的にはオオヨシキリが思い浮かびます。オオヨシキリは「ギョギョシ」「ギョギョシ」「グエグエ(クエクエ)」と大きな声で囀る河畔の草地などで見かける鳥です。名前の通り「ヨシ(アシ)原」などに巣を作り、今の時期にはオスが大きな声でテリトリー(複数のメスと繁殖する範囲)を主張しています。

 浅草山麓エコミュージアムでは、近くの小学校の自然観察・アウトドアクラブの指導を通年で行なっていますが、いろいろ実践した結果「野鳥観察を自然観察の導入プログラムとする」のが優れて効果的だと感じています。野鳥は姿や鳴き声が種ごとに特徴的であり、「種の多様性と類似性」「個体の行動と社会性」「繁殖と食性」「周囲の環境との親和性と適応」など、生物学と動物行動学の本質的なテーマを体験的に学ぶことの出来る身近な存在です。オオヨシキリも、自分の場合「学生時代に野鳥図鑑で初めて知った鳥」ですが、一旦その存在に気がつくと「初夏の魚沼の水辺はオオヨシキリだらけ」だという事がすぐ分かります。

 野生の哺乳類とフィールドで出会う事は実際なかなか難しいのですが、野鳥はこの意味で言えば「見つけやすく親しみやすい絶好の生きた教科書」です。梅雨の時期には御家族でオオヨシキリの声と姿を探してみませんか?そしてオススメは一家に一冊野鳥図鑑。可能であれば大きな図鑑(家用)とポケット図鑑(野外用)があると便利です。野鳥図鑑の使い方ですが、普段から気軽にパラパラと眺めているうちに、野鳥についての知識と理解が徐々に深まってゆきます。双眼鏡はコンパクトな8倍が使いやすいのですが、最初はレンタル品でも大丈夫です。