里山のツキノワグマ 40 〜インジケーターとしての柿の木〜

 今朝(2020.10.17)も里山エリア(エコミュージアム園内ではありません)の早朝定点観察を実施しました。守門アメダス観測点における最低気温は9.6度と昨日よりは冷え込みは弱いものの、寒さを感じる朝です。自動車のヒーターが有難い季節です。そして、昨日に続き今朝の定点観察ではツキノワグマのフィールドサインは確認出来ませんでした。

 

<定点観察地点の里山エリアではアケビが美味しそうに実っています>

 

 ツキノワグマのフィールドサインが見つからない背景として、

・ツキノワグマがこのエリアから大きく移動している

・有害駆除によりツキノワグマがこのエリアから排除された

・ツキノワグマは引き続き生息しているが、藪や木立などの目立たない場所で活動している

 

等の可能性が浮かんできます。一般に「存在していないことを証明することは非常に困難である」ことから、これを「悪魔の証明」と言ったりもしますが、ここ数日はそんな事を考えながら調査に当たっています。またその逆に「フンや足跡、冬眠場所などがひとつでも見つかればそれだけで”里山のツキノワグマの存在証明”が可能となります」

 そんな意味もあり、定点観察地点のルート上で注目しているインジケーター(指標・目印)として「いくつかの柿の木」を設定しています。仮にツキノワグマがこのインジケーターの柿の木を食害すれば、枝ぶりや足跡、食痕などが明確に残される筈です。またツキノワグマの行動の傾向も浮かび上がってきます。これからも里山のツキノワグマに関する調査は続きます。

 

<この柿の木もツキノワグマ調査のルート上のインジケーターとしています>

<美味しそうな柿の実ですね>