里山のツキノワグマ 54 〜夜のロードセンサスでクマを観察出来るか?〜

 明日(2020.10.28)は所用で早朝の定点観察を行わないため、その分も含めて「夜のクマ観察」を行いました。当然の事ながら、夜の時間帯にツキノワグマの高密度生息域で自然観察を行う際には「安全確保が最優先」となります。このため、今夜の自然観察では小型四駆の車内からヘッドライトで道路上を探索する「ロードセンサス」としました。

 

<安全な速度で、じっくりと野生動物を探します>

<この日はイノシシ、タヌキ、キツネが姿を見せてくれました>

 

 やはり夜間の方がより多くの野生動物を観察することが出来ます。特に、イノシシやニホンジカがメインターゲットであれば、夜間のロードセンサスは有効です。ただし、里山のツキノワグマにこの手法が適用できるかどうかは、まだ結論が出ません。個人的な体験では、夜間にツキノワグマを道路沿いで偶然発見することはあるのですが、「狙った場所やタイミングでツキノワグマを確実に夜間観察出来るか?」と言えば、現状ではかなり難しいと感じています。

 それでも、インジケーターに設定している道路沿いの柿の木などは、夜間に巡視する価値はあるように思います。固定カメラ(トレイルカメラ)のように鮮明な写真や動画は望むべくもありませんが、「広い調査区内において、複数のチェックポイントを手早く巡視する手段」として「小型四駆による夜間のロードセンサス」をツキノワグマの調査にも応用してみたいと思います。