里山のツキノワグマ 55 〜野生動物の出没ポイントに理由あり〜

 今朝(2020.10.28)も何とか時間を工面して里山エリア(エコミュージアム園内ではありません)の早朝定点観察を実施しました。守門アメダス観測点における最低気温は4.9度と冷え込みましたが、大気中の水蒸気量が少ないのか朝霧は薄っすらと漂う程度です。そして本日も巡回コースにはツキノワグマの新しいフィールドサインは発見できませんでした。里山のツキノワグマは今どこで何をしているのでしょうか?

 

<里山エリアの観察地点から日本百名山の越後駒ヶ岳を遠望すれば、山頂付近に積雪も確認できます>

<このエリアのイノシシは休耕田を積極的に掘り返しています。何を求めての採食行動かな?>

 

 さて、昨日の夜間ロードセンサスでイノシシを確認した場所をあらためて観察してみると、この場所が河岸段丘の狭窄部であることが分かります。河岸段丘の際には藪が残りますし、こうした場所は移動経路の結節点になるのでしょう。新潟県魚沼地方では小規模の河岸段丘のことを「ぶってい」とか「ぶったい」と呼ぶことがありますが、これは「河岸段丘を舞台のようだ」と見做して呼称しているようです。野生動物のロードキルについても発生しやすい条件の場所がありますが、フィールドでの観察を続けていると「野生動物の行動の理由や気持ち」が少しづつ分かって来るように思います。まだまだ修行は足りませんが・・。

 

<イノシシの出没ポイントの背景には河岸段丘の狭窄部と藪がありました>

<野中の柿の木はツキノワグマに、「私の実を食べて種を拡散して下さいね」と言っている?>