はてなの茶碗と自然解説  

 今日(2018.10.30)の新潟県魚沼地方は冷たい雨がシトシトと降り続いています。日本海側の北陸地方の晩秋を代表するような天候ですが、この時期の降雨は水資源ともなりますので、自然現象も多面的に捉えてゆきたいものです。

 さて、「はてなの茶碗」は落語の名作ですが、ここでちょっと自戒を込めて「過去に見聞きしたハテナ?(本当かな?と疑問が湧くような)な自然解説事例」を紹介いたします。

 

<ハテナ?な解説の事例>

「カナヘビはヘビという名前がついているから、蜥蜴(トカゲ)の仲間ではなくて蛇(ヘビ)の仲間なんです」

「植物のツルの巻き方は”フレミングの左手の法則”で説明出来る」

「新潟県の気象傾向は北陸地方ではなくて、すぐ隣の関東地方に属しているんです」

 

 如何でしょうか。傾向として、悪意は無くとも「断片的な知識や確証の無い私見」を用いることで、(見聞きしたこちらが)「ハテナ?」と疑問に思うような解説が生じているように思います。仮説と定説、私見と定見を峻別する事が「自戒を込めて」大切だと感じます。その上で、「分からない事・知らない事を実際の観察結果からみんなで共有し、時には複数の仮説から考察を深めてゆく作業」が自然観察と自然解説の醍醐味のように思います。

 さて、落語の演目である「はてなの茶碗」では、最後に「漏れる茶碗が千両で売れて大もうけ(値千両)」となります。上記のハテナ?な解説事例の「答え合わせ」は特にしませんが、「ハテナ?な自然解説」から出発したとしても、その「ハテナ?」を検証する過程で「値千両」の貴重な発見や知見に出逢うこともありそうです。雨あがりには、またフィールドで楽しみましょう。