夏の山岳渓流ではイヨシロオビアブ(通称:メジロアブ)に御注意下さい。

 新潟県魚沼地方は本格的な夏を迎えています。連日の猛暑に涼を求めて「渓流で水遊び」をしたくなりますが、この時期は丁度「イヨシロオビアブ(新潟県魚沼地方での通称:メジロアブ)」の発生時期と重なります。「イヨシロオビアブ」は小さな灰色のアブですが、「夏の山岳渓流」や「林道」付近で吸血のため数十匹の集団で人間に群がり、その猛襲の恐怖から水遊びが楽しめないこともあります。イヨシロオビアブの行動を観察すると、「動くもの」や「黒く・体温があるもの(動物)」、「二酸化炭素(人間の呼吸)」などに反応して吸血の対象として群がるようです。「動くものに反応する性質」があることから、「イヨシロオビアブを手で振り払ったり」、「走って林道を逃げたり」すると「結果としてイヨシロオビアブを更に誘因してしまう」ようです。

 一方でイヨシロオビアブ自体の飛翔(航続)距離はそれほど長くないようで、例えば「大きな湖の湖面中央部」まではあまり飛んできません(墜落防止のため途中で湖岸に引き返す?一方で山上湖の湖岸はイヨシロオビアブの猛襲危険地帯です)し、「気温が30度を超える真夏の日向(真夏の車内も)」などはオーバーヒート状態となるようでイヨシロオビアブの活動も低下するようです。また避暑トンボが飛び交う園内の草原ではイヨシロオビアブはトンボに捕食されるのか、その姿はほとんど見かけません。

 水遊びの場面では「水飛沫でイヨシロオビアブを水面に落とし」たり、陸上では「防虫網」や「ハッカ系の軟膏」などにもある程度忌避効果がありますが、野外のフィールドでイヨシロオビアブを100%防御する(寄せ付けない)決定打は今のところ無い様にも思えます。自動車の排気ガスもイヨシロオビアブの誘因要素となりますので、「駐車中の自動車のガラス窓」はしっかりと閉じておきましょう。現実的な対応策として、「イヨシロオビアブが大発生している時期(概ね8月上旬)には生息地である山岳渓流に近づかないのが賢明のように思います。

 そして「8月のお盆の時期を過ぎると」あれ程群がってきたイヨシロオビアブも「山岳渓流から序々に姿を消します」。「晩夏のイヨシロオビアブの消失」は「嬉しさと同時に夏休みの終わりを予感させる」ちょっと切ない時期でもあります。