里山のツキノワグマ 52 〜新たなクマ個体「SB(ShyBear)2」の登場?〜

 昨日から新潟県魚沼地方は大雨の天候でしたが、夕方には雨もあがりました。これはツキノワグマが活動を始めるのでは?と思い、近くの定点観察場所に向かうと予想通り「新しいツキノワグマの足跡」が「田園地帯の畑の上」にしっかりと残されています

 

<雨上がりの畑の土の上には、新しいツキノワグマの足跡がくっきりと残されています>

 

 このツキノワグマの足跡は、一級河川の破間川(あぶるまがわ)からJR只見線の線路方向へ向かって一直線に「常足(なみあし)」で向かっています。足跡の風化の具合から「昨日の夜から今朝にかけて活動したツキノワグマの足跡」と判断しています。

 ツキノワグマの足跡は「前足の足跡の上に後ろ足が重なる(オーバーラップ)傾向があります」。このため、「地面に残された足跡は、実際の足のサイズよりも大きめ」なのですが、「常足時の対角線上の足跡の位置が形成するBOXサイズ」から「肩から臀部までの大きさが70cmほどで、頭胴長が1m前後の(若い)ツキノワグマでは?」と推定しています。この足跡から西側へ100mほどの場所には大きな柿の木があり、多くの実が確認できます。またJR只見線の線路を越えた「鷹待山方面の畑」にも柿の木が何本かあります。今回の足跡の発見場所は、2020.10.24に「アケビの種入りのフンを発見した場所」から直線距離で1.159km離れていますが、周囲の状況から判断して別個体のクマである可能性があるため、この場所を訪れる個体を仮にSB2(ShyBear2号)としました。今後数日のうちに、付近の柿の実がこのクマ(SB2)によって食害されるかも知れません。これを検証する意味でも、調査を継続したいと思います。

 

<前回のフンの発見場所から1,159kmの距離で新しい足跡を発見、SB2か?>

 

 人家に近い場所であるため、この足跡については既に魚沼市役所には報告済みですがお近くにお住まいの方や、ランニング・ウォーキングなどをされる方は、特に朝晩の時間帯は十分御注意下さい