里山のツキノワグマ 113 〜晩秋の里山にもクマの生態痕跡あり〜

 今日(2021.11.13)の新潟県魚沼地方は朝方の冷たい雨も止み、午後からは青空が広がりました。越後三山や浅草岳、守門岳の山頂付近も「徐々に雪景色へと移行」しています。そんな土曜日ですが、休日を利用してMTB(マウンテンバイク、山道用の自転車)のトレーニングも兼ねて当方の定点観察地点である「守門岳南西麓に広がる標高500m前後の里山(旧薪炭林)」の調査を行いました。

 その結果、オニグルミの樹上に形成された「今年の熊棚(くまだな)」やツキノワグマのフンを発見することが出来ました。

<左上:晩秋の守門岳 右上:浅草岳と毛猛三山方面>

<左下:オニグルミの樹上に形成された熊棚※ 右下:ツキノワグマのフン>

 

 そして今回発見したツキノワグマのフンを観察すると「オニグルミの実の外殻」が見て取れます。ネット上では「ツキノワグマは有害駆除のため里山や奥山から居なくなった」「山が荒廃してクマは餌不足」という見解もありますが、実際にフィールドで調査すると「(今年についても)人家から500mほどの距離にある里山(旧薪炭林)をツキノワグマは自分の行動圏としており」、その存在を示す「生態痕跡(フィールドサイン)を里山に残してます」。また今回発見したツキノワグマのフンは太さも量も標準的であり、この里山エリアでは「餌資源が十分存在していること」が推察されます。

 「百聞は一見に如かず」の諺(ことざわ)の通りですが、ネット上にある様々な見解を峻別すること(ファクトチェック)の重要性を実感します。

 

※オニグルミの木に形成される熊棚について、当地方では「破間川水系の黒又川流域」では散見されますが、この調査地点(守門山麓南西エリア)ではほとんど見かけません。その理由が何なのか、今も思案しています。今後の観察結果が楽しみです。