奇妙な今年の紅葉

                              落葉が進んだブナ林

 

 今年の紅葉は華やかさが今一つ、早くから不規則な落葉で梢にはあまり葉が無いような、すこし奇妙なブナ林の景観となりました。

 

 エコミュージアムに近いアメダス守門の気象観測データから、今年と昨年の8月~10月の気温データを次の表で比べてみました。

アメダス 守門 夏から秋の気温 ( (  )は昨年2023年の値)

 

 特徴的なことは、各月とも最低気温(□)は8,9,10月ともに昨年よりも高く、8,9月の気温の日較差(寒暖差)が去年より小さかったことです。日平均気温も9月10月は今年が高いなど、とくに9、10月の残暑は去年よりも厳しかったということになります。 寒暖の差が、植物の活動のためのホルモンを促すと言われています。そして、紅葉は9月の気温に左右される、という専門家の話です。その9月に、植物は夜間の気温が高く十分には休めなかったのかも知れません。このような今年の特異な気象条件が、今年の木々のの紅葉への影響をもたらしたとも考えられます。

 

 

 ほとんど落葉したブナの木も   まだまだ楽しめるコマユミの紅葉

 

 ただ、データの守門とはエコミュージアムの標高が異なることから、一概なことは言えないかもしれません。それでも、気象庁の高層気象観測の925hPaや850hPaのデータが、長期にわたりかなり安定して推移していたことなどを見ても、上記の一定の傾向は推測することができるように思います。

 エコミュージアムの紅葉はすっかり見頃を過ぎてしまいました。11月5日のクローズ後は、破間川渓の県道で、順次標高を下げながら、しばらく紅葉を楽しむドライブなどはいかがでしょうか。