園内にてニホンカワネズミを発見 2018.10.03記述

 昨日(2018.10.02)の午後3時頃、台風後の取水設備点検の際に「浅草山麓エコミュージアム園内の小川(河川最上流部の渓流区間)」にて「ニホンカワネズミ(Chimarrogale himalayica platycephala)の成獣1頭(性別不明)」を確認(視認)致しました。ニホンカワネズミは食虫目トガリネズミ科に属する体長12cm程の「ほ乳類」で、大きなくくりで言えば「モグラのグループの中のジネズミの仲間」ですが、水中で巧みに泳いで渓流魚などの獲物を捕食するなど「河川環境に適応した独特の生態」を有しています。水中での体温低下を防ぐために「体毛の周りに空気をまとい」、これが水中で銀色に光って見えることから「銀ネズミ」と呼ばれることがあります。

 ニホンカワネズミは生息場所である河川上流部の開発が進み、また住処となる自然河川(特に水質と餌資源、水辺と接する河岸の物理的構成が重要)の環境悪化の影響を受けやすいため個体数の減少が懸念されることから、新潟県が策定したレッドデータブックでは「準絶滅危惧種」に指定されています。水中に適応したニホンカワネズミの生態には未解明な点が多々ありますが、園内でのニホンカワネズミの生息確認は「周囲に良好な河川環境を有していること」を示しています。エコミュージアムでは今後もこうした生物の保護と研究を進めてゆきたいと思います。

 

<参考 新潟県のレッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物種リスト・ほ乳類)>

http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/rdb09_honyurui.pdf