梅雨明けとカタクチイワシ 〜ブナの葉への一滴は日本海へ〜

 今日(R02.08.03)の新潟県魚沼地方は薄曇りの朝を迎えています。守門アメダス観測点における最低気温は19.7度、日中の最高気温は31度と予想されています。フィールドでは熱中症への警戒が必要です。

 さて、昨日(8/2)は新潟県を含む北陸地方の梅雨明け(正確には”梅雨明けしたとみられるとの気象庁の見解”)が発表されました。所用で新潟県営柏崎マリーナにお邪魔しましたが、梅雨明けした柏崎沖の日本海はまさに夏の海。夏の空気を纏った(まとった)麗峰・米山(※)はちょっと霞んで見えますが、強い日差しを受けた日本海は生命感にあふれています。午前7時頃からは広い範囲の海面でイナダ(ブリの若魚、アジ科)やサワラ(鰆、サバ科)がカタクチイワシを集団で追いかける様子が見られました。海の様子をよく観察すると、カタクチイワシの群れは幾つかある「潮目」や「海中の地形変化」に沿って移動しているようです。また潮目付近の海面は「薄い濁りを伴った潮(大雨時の河川水の影響か?)」や「黄緑色の植物プランクトンの色合いが見られる潮」、「小波の違い」など、多彩な表情を見せています。

 この日観察されたカタクチイワシは体長5cm程度の当歳魚のようですが、かなりの数の群れが柏崎沖から沿岸にかけて回遊しているようです。浅草岳の麓に降った一滴の雨粒は「様々な有機物や栄養塩」を日本海まで運び、「夏の日差し」は「植物プランクトン」を育み、「動物プランクトン」や「カタクチイワシ」などに連なります。夏のシーブリーズ(昼間の海風)が爽やかな日本海も、浅草山麓の自然と「大きな循環」で繋がっています。

※浅草山麓から見える米山と観天望気(かんてんぼうき)についての過去の記述はこちらです。