里山のツキノワグマ 104 〜今年4件目のクマ出没情報、桑の実も平年並みか?〜

 今日の新潟県魚沼地方は暖かい快晴の朝を迎えています。守門アメダス観測点における最低気温は7.6度、日中の最高気温は24度と予想されています。絶好の行楽日和と言いたいところですが、新型コロナ感染症の広がりが懸念されます。隣接する新潟県長岡市では県として「新型コロナウィルス感染症に関する特別警報」が発出されています。感染予防の対策をしっかり行いたいですね。

<左上:朝日を浴びて走るJR只見線の一番列車 右上:桑の実もたくさん実っています>

<左下:フジも開花期に入り花房が下がってきました 右下:タニウツギは隠れた名花です>

 

 さて、昨日(2021.05.12)は入広瀬公民館の学習講座として「里山のツキノワグマ」に関する講話を開催しました。新型コロナ感染症への対応として参加者数は限定されましたが、皆さん一生懸命にメモをとっていました。新潟県警小出警察署の方や魚沼市で鳥獣対策を担当している行政職員も見えられ、当方も力が入りました。

 そんな中で、今日現在(2021.05.13)魚沼市内では今年に入って4件のツキノワグマ出没情報が寄せられています。その4件とも目撃場所は「里山エリア(標高800m以下の旧薪炭林など)」や「水田地帯」です。昨年の奥山の堅果類の凶作についてネット上では「ツキノワグマは飢餓状態」「ツキノワグマは絶滅の危機」という意見も散見されましたが、実際には無事に冬越ししているツキノワグマが多数存在していることが推察されます。春先からツキノワグマ出没のニュースが各地から寄せられますが、当方の定点観察地点では「ブナの開花が多数確認され」「オニグルミやミツバアケビ、クワ等の開花も順調」です。特に里山エリアは雪解けが早く植物の種類も豊富なため、ツキノワグマの餌場として優れた条件を備えていますので、ツキノワグマとの不意の遭遇には十分御注意下さい

 昨日の講話でも紹介しましたが、山に入るときには「クマ鈴」と「目立つカラフルな服装」でクマ対策をしっかりとなさって下さい