破間川ダム湖で観察される「湖面雪割れ現象(雪流れ)」について(追記)

 ここ数年、新潟県魚沼市大白川地区にある破間川ダム湖の「雪流れ」が話題となる事が多くなっているように思います。

<写真は2019.03.15の正午頃に撮影>

<写真は2019.03.13の夕方に撮影。減水時の湖岸にある大量の積雪に注目>

 

「雪流れ」とは「湖面雪割れ現象に対する当地(魚沼地域)での表現」ですが、「冬の間人造湖の湖面と湖岸に積もった大量の雪」が「ダム湖の水位上昇」を受けて「ブロック状に割れて、雪塊として湖面に浮遊する現象」を言います。この現象の背景にある条件として、

1 春先まで(減水時)湖面と湖岸に大量の積雪があること

2 ダム湖の大幅な水位上昇(満水)を伴うこと

3 ダム湖への流入水(上流部の雪融け水)と湖面上層の水温が極めて低く、

  湖面の雪塊が数週間融け切らずに浮かび続けること

等が挙げられます。また「湖面雪割れ現象(雪流れ)」の発生について上記の写真から考察すると、「減水時の湖岸の積雪も大きな役割を果たしている」ようです。こうした現象は日本列島の多雪地域のダム湖では度々発生していると思われますが、「多雪地域のダム湖の多くは市街地から遠い山間部にあって人目に付く機会が少ない」ことから、一般の方が「湖面雪割れ現象(雪流れ)を観察・認知する機会が少なかった」とも考えれられます。

 

 それぞれのダム湖は湖面標高や水温、流入出量のバランス等により固有の生態系を形成しており、水温の周年変化やターンオーバー(湖水循環)など、「ワカサギや湖沼型のイワナ・ヤマメなどの生息空間」としても注目すべき要素が数多くあります。「湖面雪割れ現象(雪流れ)」の観察を通じて、こうした人造湖の生態系についても興味関心を持っていただければ幸いです。また「湖面雪割れ現象(雪流れ)」の観察の際には、「危険箇所や湖岸への立入禁止など安全に十分配慮いただく」様お願いいたします

<過去に撮影した雪流れ現象>