ツリフネソウと白色のオダマキ

 今朝(R01.09.02)の新潟県魚沼地方は雨は降っていないものの低い雲が広がっています。レーダー画面も日本海・越佐海峡に雨雲を捉えていますので、秋雨の時期ということで午後から降雨を見るかも知れません。また9月に入り、当園へのアクセス道路である国道252号線と県道385号線の要所に設置してある施設誘導看板も昨日より「秋バージョン」に入れ替えしました。

 さて、園内では秋の到来を告げる「赤紫色のツリフネソウの花」がちょっと前から姿を見せています。ヤチダモを抜ける木道の脇に点々と咲いていますので、比較的見つけやすいと思います。そして園内で観察された白色のオダマキ(園芸鑑賞用の改良種と思われます)ですが、

・木道から離れた特定の箇所で

・株が高密度に集中しており

・在来型(に見える)オダマキ(青紫色※)とは混生していない

等の様子から「人為的にもたらされた株(無断播種)の可能性」を思案しています。ミヤマオダマキ自体は地方によっては「絶滅危惧Ⅱ類(絶滅のおそれのある種)」に指定されるなど、保護の対象とすることが望ましい状況ですので、好意的に解釈すれば「(園芸愛好家の方などが)自分の庭の鉢やプランターで育てたオダマキの株を”自然状態にある園内”で育種したい」との意図があったかも知れませんが、その一方で園芸鑑賞用の改良種が環境学習施設である当園内(越後三山只見国定公園に指定)でその分布を拡大する状況は「自然分布域と固有遺伝情報の撹乱」等の様々な問題をはらんでいますので、今後関係機関と協議しながらこれに対処することとなります。

 

※「在来型に見える青紫色のオダマキ」も当初は園内に自生していませんでした。施設設置前の植生調査や一連の経緯、複数の自然観察指導員さんの見解等を踏まえると「園内の特定箇所」で観察される「在来型に見える青紫色のオダマキ」も「人為的な移入(無断播種)」によるものの可能性が高いと推察しています。