整列したカマキリ 渓流のハリガネムシ バケツのカマドウマ

 今日(R01.09.27)の新潟県魚沼地方は雲の無いまさに「日本晴れの朝」となっています。守門西名アメダス観測点における最低気温は11.4度 (05:28)まで下がりましたが、日中は29度程まで上がる予報となっています。農家の方の稲刈りもいよいよラストスパートという感じです。

 さて、昨日(9/26)自動車で移動していた際に「渓流沿いの道路際で”同じ方法を向いた大型のカマキリ”」を複数発見しました。丁度「パレードを沿道で護衛する衛兵」のような感じです。カマキリと言えば、ハリガネムシの宿主(寄生される側)としても知られていますが、「整列したカマキリ」はどのように理解したら良いのでしょうか?

 ここでカマキリとハリガネムシの関係について簡単におさらいします。ハリガネムシはもちろん生き物ですが、水中に生息し・細長い線状の・S字状にゆったりと動く・薄茶色の生物です。長さは20cmから30cm程でしょうか。触ってみた感覚は「そこそこに固い」という印象です。魚沼地方の水辺では秋にかけて時々見かける印象があり、山あいの池などで「ぶっこみ釣り(池の底にエサを沈めて鯉などを狙う)」の際、複数のハリガネムシが釣りの仕掛けに「ぐじゃぐじゃに引っ掛かったり」、渓流に生息する「イワナ(渓流魚)の肛門からハリガネムシが10cm程外へ伸びている様子を発見したこと」もありますが、姿が姿なだけにあまり美しい思い出ではありません。そして寄生生物としてのハリガネムシ(※)ですが、

「水中のハリガネムシ(卵)」→「水棲昆虫の体内へ入り(幼体)、その後水棲昆虫は羽化して地上へ」→「カマキリやカマドウマなどの陸上の肉食性大型昆虫の体内へ(成体)」という食物連鎖の過程で宿主を代えながら成長してゆくようです。

 そしてカマキリの体内にいるハリガネムシは「カマキリを水辺まで誘導し」「カマキリを落水させることで水中に戻る」ようです。水辺までカマキリを誘導するメカニズムについては「ハリガネムシによる働きかけ」と「光の刺激」が関与しているようです。そういえば同じくハリガネムシの宿主(寄生される側)であるカマドウマ(いわゆる便所コオロギですね)もバケツの水が大好き(多数が落水)ですが・・・

 そこで昨日の「整列したカマキリ」ですが、「これからどこへ向かうつもりだったのでしょうか」?

 

※ハリガネムシの生活環及びカマドウマとの関係に関しては、京都大学次世代研究者育成センター(2011)の佐藤拓哉さん、渡辺勝敏 さんらの論文「寄生者(ハリガネムシ類)が駆動する渓畔生態系のエネルギー流」を参考とさせていただきました

※京都大学によるプレスリリースはこちらです。