ツキノワグマに対する日々の安全管理について(開園前の予防追い払いの実施)

 浅草山麓エコ・ミュージアムには16haの「県有地内の観察コース」に加えて、230haの国有林の中に開設された「遊々の森の観察コース」があります。平成13年7月の開園以来、当施設ではツキノワグマによる人身事故は一切発生していませんが、周囲にはブナの天然林や二次林が広がっており、越後三山只見国定公園内の優れた自然環境の中にあることから、施設周辺はツキノワグマの行動圏内となっています。

 過去の例では7月末の梅雨明け頃から「ツキノワグマによるミズバショウの採食」が園内で何度か確認されていることから、今年度も安全管理の一環として「ツキノワグマに対する開園前の予防追い払い」を7月上旬より実施いたします。午前9時から約30分間をかけて、爆竹やロケット花火を使用しますので、予め御了承下さい。

 

 

=== 新潟のツキノワグマ安全メモ <2020浅草山麓エコ・ミュージアム版※> ===

      (御一緒のお子様にもお伝え下さい)

※コピペフリーです。安全で楽しい自然観察のために、家庭や学校で御活用下さい。

 

その1「クマ鈴」

 ツキノワグマは雑食の野生動物です。食べ物を探して山や谷の広い範囲を移動しています。新潟県の森の中では「どこでクマに出会っても不思議ではありません」。クマのためにも人間のためにも、森に入るときには「クマ鈴」を用意しましょう。

 

その2「出会いやすい場所」

 ツキノワグマは、季節ごとに様々な食べ物を探しています。新潟県の場合、春のネマガリタケ(笹やぶ)、初夏の桑イチゴ・野イチゴ(林道周辺)、夏のシシウド・ウワバミソウ(沢筋)、秋のアケビ・カキ・ドングリ(民家の近くや畑、林道、裏山)など、季節ごとにクマと出会いやすい場所がありますので注意しましょう。

 

その3「親子連れのクマは特に危険」

 親子連れのツキノワグマはたいへん危険です。特に母グマは子グマを守ろうと、人間を攻撃してくることがあります。子グマは可愛らしく見えても「ペットでも、ぬいぐるみでもありません」。子グマには絶対に近づかないで下さい。絵本にはクマは賢いとか、クマは優しい、クマは人間の恩を忘れないなどと書いてあるかも知れませんが、ツキノワグマは本州最大級の食肉目の野生動物です。ツキノワグマの攻撃によって大怪我や死亡事故になることもあります。最近になってツキノワグマの目撃情報がある場所は特に注意して下さい。

 

その4「ツキノワグマは里山にもいます」

 昔は薪(たきぎ)にするために、あちこちの里山で木をたくさん切っていましたが、ガスと電気が普及したために、ここ50年ほどはほとんど木を切らなくなりました。そして新潟県の里山の多くはいろいろな種類の木が成長し、林から森になりつつあります。このため、里山にやってくるツキノワグマが増えているかも知れません。また家の近くや学校の近くの森にもツキノワグマが来ているかも知れません。「大型犬よりも大きい足跡(あしあと)やフン(うんち)」はクマの可能性があります。心配なときは市役所などにお知らせ下さい。

 

その5「朝晩は特に注意」

 ツキノワグマは朝早い時間や、夕方のちょっと暗くなった時間に活動が活発になります。朝晩の時間は特にツキノワグマに注意しましょう。

 

=== 新潟のツキノワグマ安全メモ(2020浅草山麓エコ・ミュージアム版) ===