水飴のような(?)雪の性質

 

下に続いてしまった大屋根からの雪  (2024年1 月5日)

 

 浅草山麓エコミュージアム周辺の積雪は、1月17日現在昨年よりかなり少なく約2メートルくらいでしょうか。南に約6キロ、同じ標高にある県道路情報システムの無人テレメーターのデーターからの推定です。

 エコミュージアムの建物は、完全耐雪に造られています。まだ降雪の少ない頃には屋根からずり落ちる雪はなかなか途切れることなく、下まで続いてしまいます。雪の性質の一つの粘性のため普通に見られる現象です。

 雪の性質にはいろいろありますが、最も生活に密着してくるのがこの粘性ということでないでしょうか。降ったばかりの雪は若い人たちが喜ぶパウダースノーなどと言う、非常に密度の小さい状態のことが多いようです。

 

小雪といっても、すでに下まで続いた屋根の雪 (2024.1.5)

 

 ところが、時間的変化とともに,積雪層の自然圧縮などによって、雪密度の粘弾性体としての特性をどんどん増していきます。この写真からもその特性がよく見てとれますが、ゆっくりと変形していく雪は、まるで水飴のようです。 この粘性と膨大な重さで引っ張られる力で壊れる所がないように、建屋には軒(のき)や庇(ひさし)、雨樋などが無く、何となく無骨な外観になっているのはこういった理由からなのです。

  それでも、時々は屋根を葺いてある鉄板の瓦棒などが引き抜かれてしまうことがあるくらいです。春には目視や双眼鏡などによる点検が欠かせないことの一つです。スタッフにドローンを扱える人がいるといいのですが・・・。

 

 現在のところ珍しいほど雪が少ないフィールドと浅草岳  (1月5日)

 

 山岳地帯の降積雪の状態は、普通3月に最も多くなることが多いことが知られています。この冬の今後はどんな推移をたどるのでしょうか。